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スマホの使いすぎで“脳がゴミ屋敷”に?6人に1人が予備軍『スマホ認知症』の実態とは
スマホ認知症とは?脳が疲れて情報が取り出せない状態
今や私たちの生活に欠かせないスマートフォン。しかし、あまりに長時間使用することで記憶力や集中力の低下が起き、認知症に似た症状が現れることをご存じですか?
これが今注目されている「スマホ認知症」です。病名ではありませんが、脳が処理できる以上の情報を詰め込み、思い出すべき情報が取り出せなくなってしまう状態を指します。
全国初「スマホ認知症外来」が開設
2025年6月、東京都葛飾区の金町駅前脳神経内科にて、全国初となるスマホ認知症外来が開設されました。
開設したのは同院の内野勝行院長。若い世代にも多いこの症状に対し、「気軽に相談できる場を提供したい」との思いから始めたそうです。
来院者の多くは30代で、「人の名前が出てこない」「うっかりミスが増えた」などの記憶障害や注意力の低下に悩まされています。
あなたも当てはまるかも?スマホ認知症チェックリスト
以下のチェック項目のうち3つ以上当てはまると、スマホ認知症のリスクが高まると言われています。
- スマホは常に手元にある
- 知っている人の名前が出てこない
- 漢字が書けなくなった
- 覚える代わりに写真を撮る
- スマホ以外で調べ物をしない
- 常に睡眠不足
- やる気が出ない・興味が湧かない
- 家事や仕事の段取りが悪くなった
これらの項目に複数当てはまる人は、一時的な脳の疲労や情報過多による混乱が起きている可能性があります。
スマホ認知症の原因は「だらだら使用」
仕事でのスマホ使用や調べ物など、目的を持った利用は問題ありません。問題なのは、意味もなく動画やSNSを眺め続ける行為です。
脳は本来、情報を整理するために「ボーっとする時間」が必要です。しかしスマホをずっと見続けるとその時間がなくなり、脳内が“ゴミ屋敷”状態になってしまうのです。
最悪の場合、うつ病や真性の認知症へ?
物忘れの段階で気付かなければ、次第に自律神経失調症→うつ病→真性の認知症という深刻なステップをたどる可能性もあります。
記憶の処理を担う前頭葉が機能低下を起こすことで、感情のコントロールや状況判断も難しくなってくるのです。
“脳のゴミ屋敷”を片付ける!予防・改善方法
では、どうすればスマホ認知症を予防・改善できるのでしょうか? 内野院長がすすめる具体的な方法はこちらです:
- デジタルデトックス(キャンプ・サウナなどスマホから離れる時間を意識)
- 昼寝(脳疲労回復に1時間程度の仮眠)
- スクラップ(新聞や雑誌で興味ある記事を切り抜く)
- 散歩(スマホを持たずに知らない道を歩く)
- リズム運動(皿洗いや千切りなど、単純動作を繰り返す)
どうしてもスマホを手放せない人に
「スマホ依存をやめられない」という方には、スマホ画面を白黒(グレイスケール)に変更する方法が効果的です。
ドーパミン(快感物質)はカラフルなものを見ることで分泌されやすくなります。画面をモノトーンにすることで脳の刺激を抑え、だらだら視聴を抑制できます。
【iPhoneでのグレイスケール設定手順】
設定 → アクセシビリティ → 画面表示とテキストサイズ → カラーフィルター → オンにして「グレイスケール」選択
“もしかして”と思ったら受診も選択肢
「物忘れが多くなった」「話がまとまらない」「仕事でミスが増えた」などの症状がある人は、受診することも重要です。
スマホ認知症外来では、早期に異常を発見することで、若年性アルツハイマーや脳腫瘍のような重篤な疾患の発見にもつながるケースがあるとのこと。
まとめ:スマホと脳、ちょうどいい距離感を
スマホは便利なツールですが、使い方を間違えると脳の健康に悪影響を与えかねません。
「スマホはスキマ時間に…」と思うかもしれませんが、脳にもスキマ時間が必要です。今日から少しだけスマホを手放す時間を作り、脳を労わってみてはいかがでしょうか?
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